Tuanku Mizan Zainal Abidin Mosque (Iron Mosque)
Putrajaya, Malaysia : プトラジャヤ・マレーシア 銀色に鈍く光るドームが無ければモスクであることもわからないかも知れない。まるでスタジアムのような全景をもつ巨大建築で、全体の構造の約70%を鉄が占め、「鉄のモスク」の異名をもつ。規模としてもマレーシアのモスクではシャーアラムの Sultan Salahuddin Abdul Aziz Shah Mosque 、通称ブルーモスクの次の大きさで最大2万3千人を収容するという。地上からはよく構造が見えないので、上階の庭園に上り、ファサードを真正面から見据える。繰り返すアーチと鉄のリブ・ヴォールト状の梁が絡みあうのはなかなか格好いい。設計はマレーシアの建築事務所のKumpulan Senirekaで近隣のPutra Mosqueも設計している。外見の特徴は他にもミナレットが無いことで、付き添いのガイドの青年によれば、もはや伝統の意匠に従わず現代の様々な要素、輸入した素材や技術でモスクを創り上げたとのことであった。ミフラーブは巨大なガラスからできており、ドイツから輸入されたものである。礼拝堂内部は装置に頼らない自然の換気を取り入れていて、涼しい風が循環しており、過ごしやすい。ガイドはマレーシア人ではなくガーナからの移住者で完璧な英語でユーモラスな建築やイスラームの解説をしてくれて、滞在時間を面白く過ごせたのでここに礼をしたい。