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Haydar Pasha Mosque

Lefkosa, Northern Cyprus : レフコシャ・北キプロス  垂直の高さのある控え壁(バットレス)と細長い尖頭アーチ窓をもつゴシック様式のモスクであったが、現在はすでにモスクとして使われていない。もとになったのは14世紀に建造されたSaint Catherine's Churchと呼ばれるゴシック教会であり、キプロスへ侵攻したオスマン帝国軍によってミナレットを付け足されモスクとして1570年に転用された。長くモスクとして使われておらず、近年の修復の後、現在はHP Galleryとも呼ばれる展示スペースとして使用されている。3枚の扉のうち南の正門側にある扉には、今でも当時の緻密な彫刻や紋章の細工が残っている。内部は残念ながら見学できず。名称は現在もモスクの名のままで通用しているため、そのままタイトルとした。

Sinan Pasha Mosque -Gazimagusa (Famagusta)-

Gazimagusa (Famagusta), Northern Cyprus : ガジマウサ (ファマグスタ)・北キプロス  Church of Saint Peter and Paulを転用したゴシック様式のモスクであったが、すでにモスクとしては使われていない。その名は現在もモスクのままであるが、展示などの市民のためのスペースとして使用されており、内部は自由に見学できる。原型の教会は商人の寄付で1369年にかけて建てられた教会で、その後の1571年のオスマン帝国の侵攻によってモスクへと改変・改名された。その後も引き続きモスクであったのではなく、穀物倉庫として利用された時代もあった。外観はほぼ教会の姿から変化しておらず、教会の身廊と側廊の壁を支えるための頑強なフライングバットレスが2段で列になって並んでいる姿は勇壮である。リブヴォールト天井や側廊尖頭アーチは形状もそのままを保っており、唯一モスクらしいのはミナレットを付け足されていることだ。しかし後に崩壊してしまい、現在は途切れた状態のままで修復されている。また、中庭にはオスマン帝国の政治家高官・大使のMehmed Efendiの墓が残されている。

Osman Fazil Polat Pasha Mosque

Gazimagusa (Famagusta), Northern Cyprus : ガジマウサ (ファマグスタ)・北キプロス  北キプロスの港街ガジマウサに2015年に完成した新しいモスクで、オスマン様式で建造された。トルコとその周辺で造られた典型的なオスマン建築と違ってシンプルな白い外壁が特徴のデザインで、ドームまでも同じく白1色で塗られたモスクは南北キプロスでは見られないと思う。大きさに対して細身で3段のバルコニーのついたミナレットが青空に映える。その名の由来はキプロス紛争時のトルコ軍指揮官Osman Fazil Polat中将から取られたものである。

Lala Mustafa Pasha Mosque

Gazimagusa (Famagusta), Northern Cyprus : ガジマウサ (ファマグスタ)・北キプロス  Cathedral of Saint Nicholasとの名であった教会を転用したゴシック様式のモスク。現在の名は当時ヴェネツィア共和国の支配下にあったキプロスを陥落させたオスマン帝国の軍人Lala Mustafa Pashaに因んで付けられた。外観を見る限り、転用後に足されたミナレット以外はヨーロッパにあるゴシック教会の様相を保っている。側壁はフライング・バットレスと呼ばれる6枚の控え壁が垂直に突き出て天井を支えている。双塔の上部は地震と戦乱で崩壊したまま修復されていない。教会の建設から1328年の完成当時はフランス系がキプロス王位を継いでおり、デザインはフランスのランスにあるノートルダム大聖堂に触発されたそうである。内部はキリスト教に繋がる装飾は撤去され、またイスラーム文様も付け足されてもいないので、逆にゴシック様式の教会の特徴である交差リブヴォールト天井や尖頭形のアーチが引き立っていた。足を踏み入れた途端感じる奥行き感は独特であった。

Selimiye Mosque

Lefkosa, Northern Cyprus : レフコシャ・北キプロス  かつて聖ソフィア大聖堂(Cathedral of Saint Sophia)と呼ばれたキプロス最大のキリスト教会は、オスマン帝国の占領によってモスクへと転用された。転用後、現在もゴシック様式のモスクとして使われている例としては、同じ北キプロスの Lala Mustafa Pasha Mosque とならぶ最大級の規模ではないかと思う。ゴシック建築の特長となるフライング・バットレスと呼ばれる側廊の外壁を支えるために屋外に張り出すかたちで設置される柱は、通常のモスクでは見ることはない。2本のミナレットは転用後に追加された。内部はキリスト教に関わる装飾は撤去されており、追加されたメッカの方向を示すミフラーブは教会として建造されたため方向と構造が合っておらず、側廊に置かれている。