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Kowloon Mosque

Hong Kong, Hong Kong : 香港・香港  香港九龍側の繁華街であるネイザンロードに沿って、白いモスクが建っている。モスクの敷地は九龍公園の横にあり、密集した香港独特の中層ビルが途切れ、大きく空いたような空に白く大きなドームと4本のミナレットが一際目立つ。1984年に完成した。元々付近の尖沙咀は元英領の歴史故、同じ英領であったインド亜大陸系の人種が多く集まっていたが、モスクを訪れるのも人々も、見ていると殆どがそのようだ。ネイザンロード階段を上がった1階はホールがあり、さらに階上へ上がると2層になったドームのある礼拝堂がある。1階は机が並べてあったが、こちらも礼拝室として使うことができるようである。階段を登り礼拝堂に入る。透かしの文様が入った大きな窓から太陽光が差し込み、内部は明るい。メインドームは外側も内側も文様はなく白く塗られているのみ。見上げると天井はドームの直径で円に切り取られていて、上層のムスリマの礼拝堂と吹き抜けになっている。デザインとして4個のお椀を伏せたような小さな植物文様のドームが、メインドームの周りに十字形に配されている。中には数人の礼拝者のみがおり、音もせず、香港屈指の繫華街の人々が行き交う雑踏の中で、忽然と静寂の空間が広がる不思議な印象であった。

Tokyo Camii / Mosque

Tokyo, Japan : 東京・日本  東京・代々木にある日本最大とも言えるオスマン様式のモスク。通りの街路樹の間から空と雲を溶かしたような不思議なブルーのメインドームと尖ったミナレットを覗かせていた。金曜日の集団礼拝を行うための大モスクに冠するジャーミィを名乗り、日本では一般的にも東京ジャーミィの名で通っている。ここはトルコではないのかと見紛う外装からもわかるように、トルコ政府機関の基金により建造が始まり、多数のトルコ人技術者と現地からの資材によって工事が進められた。設計はトルコの建築家であるMuharrem Hilmi Senalp氏であり、氏の率いるHassa Architectureは数々のモスクを手掛けている建築事務所だ。メインドームは6個の半ドームで支えられ、高さ約40mのミナレットは鍾乳石飾りをあしらったバルコニーをもつ鉛筆型をし、L字型のポルティコは上部に小ドームを配しストライプのアーチで屋根を支えている。すべてが伝統的なオスマン様式に則りデザインされ、それを現在に蘇らせている。内装もまた荘厳で見事に造られ、通りに面した1階の玄関、応接間から上層の礼拝堂のドームの文様やステンドグラス、金をあしらったミフラーブ、カリグラフィーなどのオスマン様式の装飾には息を呑むばかりで圧倒される。

Taipei Grand Mosque

Taipei, Taiwan : 台北・台湾  台湾最大級のモスクで台北市内中心にある大安森林公園すぐそばに建つ。サウジアラビアなどの中東諸国の援助もあり、1960年4月に完成した。このモスクは文化的、歴史的価値から市定古蹟にも選ばれている。荘厳な雰囲気を醸し出すデザインは、台北を代表する建築物となった中正記念堂や圓山大飯店を手掛けた台湾の建築家である楊卓成氏により設計され、イスラーム建築と彼の作品の特徴である鉄筋コンクリート建築を美しく融合させている。それは、四角い塔に乗った2個の小ドームからエントランスの3個のアーチと正面上部の白いモザイクをはめ込まれたアーチの意匠、両翼のアーチ、そして金のドームとその奥の高さ20mの2本の円柱のミナレットへと続き、それらの重厚な雰囲気をまとめた氏の手腕を感じさせる。正面の塔や縁に配された赤い大小の菱形のモザイクパターンはイスラーム文様ではなく台湾先住民の伝統文様ではないかと思うのだがどうであろうか。

Kobe Muslim Mosque

Kobe, Japan : 神戸・日本  ターコイズに黒いストライプの入ったドームが映える日本最古のモスクである。古くから海外に開かれていた港街である神戸に、インド系ムスリムのFerozuddin、M.A.K Bochia両氏そのほか多数のインド・タタール・トルコ系信者達の尽力や寄付金により建造されたのは1935年のことだ。強固な構造により第2次世界大戦の爆撃でも焼失を免れ、その後の阪神大震災でも破壊を免れている。モスク入り口の受付にある当時の写真のうちの一つから、1945年の戦時の瓦礫の中でもその姿を失っておらず壮絶な歴史を経験して来たのがわかる。設計は当時日本に移住していたチェコの建築家であるJan Josef Švagr氏。このモスク以外にも同じ港街である横浜にも歴史建築を残している。

Jamia Mosque -Hong Kong-

Hong Kong, Hong Kong : 香港・香港  香港島セントラルと高級住宅街であるミッドレベルの間に、「ミッドレベル・エスカレーター」と呼ばれる山の中腹を小刻みに区切りながら進むエスカレーターがある。その途中に現れる緑色に塗られた門をくぐりそれに続く階段を登ると、同じく緑色に塗られたこの古いモスクへとたどり着く。1849年に香港で最初に建造された原型のモスクは1915年にインドの建築家A. Abdool Rahimによって改築され現在の建物になった。その価値により香港政府の機関によって定められた香港の歴史的建造物リスト中で、1級の認定を受けた。