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DIFC Grand Mosque

Dubai, United Arab Emirates : ドバイ・アラブ首長国連邦  Dubai International Financial Centre (DIFC)は何棟にも及ぶオフィスタワーが連結した複合施設である。各々が連結しており、そのうちのGate Avenueと呼ばれるショッピングモールの屋上にあたる中庭に、ビルを背景に現代建築風の白いモスクが佇んでいる。まさかモールの屋上にモスクがあるというシチュエーションが分からず、訪れた時は地上の通りから周囲を探し、頭上遥か上にミナレットとそれらしき建物が見えた時は驚いてしまった。Gate Avenueのランドスケープは、世界各国で超高層建築や巨大施設を設計するイギリスの建築事務所であるRMJMが手掛けている。同じくモスクもRMJMによって設計されており、壁はガラスとそれを覆う斜めにカットされた白いパネルで覆われている。覆いはミナレットと同じく穴の開いたイスラーム文様で、アラビア半島の中層住宅建築で見かけるマシュラビヤと呼ばれる窓の覆いをヒントにデザインされたとのこと。換気と採光とプライバシーの守秘を同時に行う機構で彫刻や格子で飾られているものであるが、伝統建築を現代建築にミックスして甦らせるアイデアは面白いと思う。

Al-Farooq Omar Bin Al Khattab Mosque

Dubai, United Arab Emirates : ドバイ・アラブ首長国連邦  ドバイ市内海岸線寄りの静かな住宅街であるAl Safa地区にある、オスマン様式のモスク。Khalaf Ahmad Al Habtoor財団によって現在の姿へと再建されたのは2011年になる。クリームを基調に、淡くグレーがかったブルーが差し色になった柔和な組み合わせの色合いをし、頭頂部がブルーの2段のバルコニーが付いた65mの鉛筆型ミナレットを4本もち、礼拝堂の上部にあるブルーに塗られたメインドームは4つの半ドームと内部の4本の柱で支えられている。トルコ・イスタンブールの Sultan Ahmed Mosque 、通称ブルーモスクからインスパイアされたデザインと公式にアナウンスされているとおり、伝統的なトルコのモスクを見ているようだ。ドームは大小合わせ21個、ステンドグラスは124枚にもなるという。あまり知られていないことではあるが、UAE国内にいくつかある開放されたモスクであり、モスクの内部まで訪問が可能である。礼拝堂内部は2000人を収容し、頭上のストライプのアーチや、緻密なドーム内側のパターンを望むことができる。

King Faisal Mosque

Sharjah, United Arab Emirates : シャールジャ・アラブ首長国連邦  シャールジャ市街の基点となるランドマークのような存在のモスクで、シャールジャの景色として紹介されているのをよく見かける。地域最大級の大きさを誇り、サウンジアラビアの王の財団King Faisal Foundationによって建設され1987年に完成した。Al Ittihad Square Parkと呼ばれる大きな公園に隣接しており、全貌が遠くからでも窺える。約17,000人を収容することができ、内部には図書館も併設されている。2本のミナレットと1個の装飾のない卵型のシンプルなドームをもち、モスク全体が3段で造られている。コーナーのシャープなステップ状のデザイン、そしてファサードと両サイドのカーブを帯びて斜めに突き出たカンチレバー構造の日除けとアーチが特徴的である。

Al-Warqa'a Mosque

Dubai, United Arab Emirates : ドバイ・アラブ首長国連邦  ドバイ郊外の住宅地に佇むこのモスクを訪ねたのは、WEBサイトで見かけたミニマムなデザインの現代建築のモスクを見てみたかったからだった。外壁は砂漠の砂のオレンジ色の壁とシンプルなアーチで造られ、中庭を包む白い花の形のミニマムな幾何学パターンの内壁との間は回廊になっている。小さく開いた門をくぐると、真っ白な丸みを帯びた角をもつ長方形の中庭が広がり、3本の樹が植わっていた。隅に建つミナレットは外側の白い壁と同じパターンの円柱形だ。礼拝室のガラス窓とドアは、中庭とは外壁と同じデザインのアーチで区切られており、礼拝者の意識を外から門、中庭を経て礼拝室に入ることを意識させるという儀式を模したようだ。内部は2層に区切られ、天窓があり光が差し込んでいる。デッキ状の中2階は同じ幾何学パターンで装飾されているが、それ以外白いドームとミフラーブにも一切の装飾はない。外から見てもドームには何の装飾もない真っ白なものであった。実際に訪れてみて、このモスクのデザインはそぎ落としたミニマムさではなく、モスクの原点、礼拝の場としての機能と様式美をすべて併せもつ空間であることに気がついた。設計はドバイにある建築事務所Ibda DesignのWael Al Awar氏とKenichi Teramoto氏2人の建築家によるもの。門越しから中庭を見据えた空間が日本的に感じるのはそのためか、とても好きなデザインだ。

Al-Noor Mosque

Sharjah, United Arab Emirates : シャールジャ・アラブ首長国連邦  シャールジャの高層ビルを対岸に眺めるKhalid Lagoonの遊歩道沿いに造られた、その名はアラビア語で「光」を意味するモスクだ。トルコ・イスタンブールの Sultan Ahmed Mosque 、通称ブルーモスクの影響を受けたと公式なアナウンスもあり、伝統的なオスマン様式のデザインを引き継ぎ2005年に完成をした。52mの2本のミナレットと34個のドームをもつ。シャルージャの統治者の妻となるHer Highness Sheikha Jawaher Bint Mohammed Al Qasimiの命で建造されたのが理由なのか、正面のポーチに配した3つのアーチや、屋根の縁の植物や花をモチーフにした装飾は繊細で非常に女性的に思える。内部も伝統的、典型的なオスマン様式の装飾であるが、アーチのストライプも濃淡の差が際立ってなく、差し色もわずかにドーム台座の紺とミフラーブのえんじ色と金色以外見あたらず物腰柔らかい優美な印象だった。メッカに向かうキブラ面のアーチは床まで届けず吊り下がった状態でミフラーブを望む視界を遮らない飾りとなっている。

Jumeirah Mosque

Dubai, United Arab Emirates : ドバイ・アラブ首長国連邦  アラブ首長国連邦(UAE)国内にいくつかしかない、異教徒の見学が可能なモスク。UAEではアブダビの Sheikh Zayed Grand Mosque とともに美しさでも有名なモスクであり、世界中からの観光客が多数見学ツアーに参加し混雑していた。外装はベージュ単色で幾何学パターンの浮き彫り細工を施された、メインドームに4つの小のドームと2本のミナレットをもつ。デザインにシリアとエジプトの建築様式を取り入れて建造され、1979年に完成した。内装は淡いクリーム色、ピンク、ブルーに塗られた装飾をアーチや天井に施され、半球の大小ドームを支える台座には3角形に縁取られた文様が入っているのが印象的だ。

Sheikh Zayed Grand Mosque

Abu Dhabi, United Arab Emirates : アブダビ・アラブ首長国連邦  高さ85mの3個のメインドームからなる合計82個もの数のさまざまな大きさのドーム。モスクの中庭を囲む1048本の柱で支えられた長大な2本の回廊。最大4万人もの礼拝者を収容することができる広大な敷地。断面が正方形から8角形、円形へと変化する4本の107mの高さを誇るミナレット。異教徒が訪れることが可能なモスクとしては世界最大級であろう。大理石、金、イランの絨毯など世界中から集めた素材と職人技を使い完成した。シリア人の建築家Yousef Abdelkyによるアラブ、ムガール、ムーアの要素を融合させたデザインで、ドーム、回廊、ミナレットなどのすべての要素が白く眩く、そして巨大だ。内部もあまりにも巨大なムーア様式の柱が並び天井に向けアーチで8角形を造りドームとそこから下がるスワロフスキークリスタル製のシャンデリアを支えており、圧倒される。壁、天井やガラスなど全体に緻密な花と植物のモチーフで装飾されている。立ち止まって眺めると同じ文様はほかにないのではと思うほど多彩な柄をもち、目を奪われる。