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Haydar Pasha Mosque

Lefkosa, Northern Cyprus : レフコシャ・北キプロス  垂直の高さのある控え壁(バットレス)と細長い尖頭アーチ窓をもつゴシック様式のモスクであったが、現在はすでにモスクとして使われていない。もとになったのは14世紀に建造されたSaint Catherine's Churchと呼ばれるゴシック教会であり、キプロスへ侵攻したオスマン帝国軍によってミナレットを付け足されモスクとして1570年に転用された。長くモスクとして使われておらず、近年の修復の後、現在はHP Galleryとも呼ばれる展示スペースとして使用されている。3枚の扉のうち南の正門側にある扉には、今でも当時の緻密な彫刻や紋章の細工が残っている。内部は残念ながら見学できず。名称は現在もモスクの名のままで通用しているため、そのままタイトルとした。

Al-Khamis Mosque

Manama, Bahrain : マナーマ・バーレーン  バーレーン最古のモスクといわれ、名称はモスクとのままであるが現在はすでに礼拝の場としての機能はなく歴史建築物として保存されている。敷地はモスクの遺構とその紹介をする資料館となるビジターセンターで構成されている。名称のKhamisは木曜日という意味で、モスク近くで木曜日に開かれていた市場から取られた。モスクの原型は8世紀初頭に建造され、11世紀ごろに改修、その後にミナレットを付け足した。現在は2本のミナレットと、円柱とそれに載るアーチが残されているのみ。クルアーンを刻まれたミフラーブの石碑はセンター内部で保存されている。2本の高さ約21mのミナレットは小さなドームを頭頂部にもち、バルコニーが付属している。ミナレットは東西わずかながら高さが異なり、建てられたのも同時でなく、最初の1本は12世紀に、その後14世紀にもう1本が追加された。その後もミナレットやモスクに何度かの修復があり、現在に至る。

Sinan Pasha Mosque -Gazimagusa (Famagusta)-

Gazimagusa (Famagusta), Northern Cyprus : ガジマウサ (ファマグスタ)・北キプロス  Church of Saint Peter and Paulを転用したゴシック様式のモスクであったが、すでにモスクとしては使われていない。その名は現在もモスクのままであるが、展示などの市民のためのスペースとして使用されており、内部は自由に見学できる。原型の教会は商人の寄付で1369年にかけて建てられた教会で、その後の1571年のオスマン帝国の侵攻によってモスクへと改変・改名された。その後も引き続きモスクであったのではなく、穀物倉庫として利用された時代もあった。外観はほぼ教会の姿から変化しておらず、教会の身廊と側廊の壁を支えるための頑強なフライングバットレスが2段で列になって並んでいる姿は勇壮である。リブヴォールト天井や側廊尖頭アーチは形状もそのままを保っており、唯一モスクらしいのはミナレットを付け足されていることだ。しかし後に崩壊してしまい、現在は途切れた状態のままで修復されている。また、中庭にはオスマン帝国の政治家高官・大使のMehmed Efendiの墓が残されている。