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Education City Mosque
Al-Rayyan, Qatar : アル ライヤーン・カタール ドーハ郊外のアル ライヤーン地区に、カタール財団によって設立されたEducation Cityと呼ばれる大学などの複合教育地区が建設された。その広大な敷地に忽然と巨大なモスクが現れる。最初に目に入ったのは三角形の平面的なパネルで構成された、白い緩やかな曲線をもつ外観であった。周囲に沿って歩くと突然パネルは立体感をもち、丸みを帯びた生物のような躯体に変化する。今まで見ていた平面はまるでその断面であった印象だ。面は柔らかな曲線を造りながら徐々に高度を下げ、やがてシャープなデザインの斜めの2本のミナレットになるという斬新なデザインだ。どこを見ても同じ要素がない、連続した曲線が優美な設計はイギリスとスペインに本拠を置く建築事務所であるMangera Yvars Architectsによる。外装だけでなく、浮き彫りされたクルアーンで飾られた中庭を囲むガラスの壁や、吹き抜けの階段、1,800人を収容する真っ白なドーム状のメインの礼拝堂と金色の立体的な三角形の輝くミフラーブなど、見所が多い。内部は教室などをもつ複合施設になっており、先に見た外観と内部の構造を比較しながらほぼ全体を歩くことができる。
Tengku Ampuan Jemaah Mosque
Shah Alam, Malaysia : シャーアラム・マレーシア クアラルンプール郊外のセランゴール州シャーアラムにある、2012年に完成したモスクで、ブルーモスクとして著名な Sultan Salahuddin Abdul Aziz Shah Mosque に続く王立モスクとなった。4本のミナレットと1個のドームをもち4,000名を収容する大きなモスクだ。デザインや構造に特徴があり、マレー様式を取り入れずほぼ純粋にアラブ様式で建造されている。極わずかに赤みを感じるクリーム色の外壁で際立った装飾はほぼなく、外見はまるで中東のモスクだ。ドームも装飾は鋸状の線が入っているのみ。内部の構造もメインエントランスから事務所などのある棟の通路を進み、連なるアーチを横に見ながら中庭を突き抜け礼拝堂へ入るという、いかにもモスクらしい、日常から心の切り替えをしながら礼拝へ望むスタイルだ。礼拝堂のシャンデリアも中東のモスクでよく見かける円状のランプが吊るされたタイプであった。ドームの内側も装飾はなく真っ白なタイルで格子を組んだ構造上の線が見えるのみであった。
Sulaiman-Too Mosque (Osh New Mosque)
Fethija Mosque
Bihac, Bosnia and Herzegovina : ビハチ・ボスニア ヘルツェゴヴィナ 重厚な造りのゴシック教会かと思える実に美しい建築である。ゴシック建築の要点でもあるバラ窓と尖頭アーチのエントランスが目を引くが、立派なミナレットがしっかりと立っており、間違いなくモスクである。原型となったのはChurch of Saint Anthony of Paduaと呼ばれた、ゴシック建築のカトリック教会であり、当時クロアチア領だったこの地は1592年にオスマン帝国の侵攻を受け教会はモスクへと転用された。ボスニア ヘルツェゴヴィナとなった現在ではそのままモスクとして使用されており、1266年建造のボスニア最古のゴシック建築と言われている。屋根はオレンジ瓦の寄棟造りでモスクのファサードには前述の鉛筆型ミナレット、広場側にステンドグラスの窓があり、広場と反対側には過去に鐘楼と修道院が併設されていたが既に壊されている。こちら側は壁の色が変わっているのでおそらくその影響であろう。内装は完全にモスクになっていてキリスト教会の面影は全くなくっている。元々教会として建造されたため、天井にドームはなくフラットな状態で、バルカンの寄棟造りのモスクで見かける平面でドームを模した描画もない。当然ミフラーブのあるキブラ壁はメッカの方角を向いていないはずである。画像を見るとわかるが、おそらくミフラーブには角度をつけず、礼拝の方向だけを列を示す絨毯の線でメッカへの角度をつけているのかと思う。2階のバルコニーも画像が歪んでいるようにみえるが礼拝の方角へ角度を付けているからなのであろう。
Al-Irsyad Mosque
Bandung, Indonesia : バンドン・インドネシア バンドン市長にして建築家であるモハマド・リドワン・カミル氏と彼の設立した建築事務所Urbaneによって2010年に完成した。1本のミナレットと1,000人を収容する礼拝堂をもつ。外観は想像しうるモスクとまったく異なり、ドームのない立方体からなり、外壁として積み上げられた2色のブロックでカリグラフィーを表現している。内装に於いてもメッカの方向を示すキブラの壁はなく、長方形に切り取られた空間となっており礼拝者は外から射す光と向かい合う。外装と内装ともに、白・黒・グレーの素材でほぼ統一されており、伝統的なイスラーム紋様などの装飾は見られない。
The Foundation of the Islamic Centre of Thailand Mosque
Bangok, Thailand : バンコク・タイ 一風変わった、朝顔の花びらのようなコンクリート造りの6角形の傘の屋根に覆われたデザインが目を引く。ブルータリズム建築とイスラーム建築の融合で、エントランスには日除けとして、同じデザインで礼拝堂の天井屋根へと続いている。屋根のメンテナンスは大変そうであるが、この日は屋根に掃除のスタッフが上がっていて、ホースで水を撒いていた。この地域はムスリムが多く、モスクは礼拝堂の他に、イスラム財団、図書館、ホールや食事のスペースなどもある、地域のコミュニティセンターとして利用されている。六角形の礼拝堂はイスラーム文様の青いステンドグラスに覆われ、黒と金を基調にした厳かな内装であった。ドームはないが、前述の優美な曲面と鋭いエッジの天井はまるで万華鏡のようで実に美しいものだ。
Sultan Ibrahim Jamek Mosque
Muar, Malaysia : ムアル・マレーシア ムアル川沿いに建つ、寄棟造りの屋根とイギリスの西洋建築が融合したコロニアル風のモスクで、意図は不明だが対岸の Sultan Ismail Mosque はこのモスクの1887年の完成の後、相似のデザインで建造されている。建物側面にせり出したキューポラの載った大きなドームは、モスクというよりも植民地時代の政府関係の庁舎にでも使われるような美しいデザインで、当時のジョーホール州のイギリスとの結びつきを感じる。ミナレットも独特で、正方形のバルコニーに円柱状の塔のような西洋風のデザイン造られた。対岸のモスクとの大きな違いは礼拝堂上部の天井のドームの有無で、こちらのモスクには無く、天井はフラットである。浄め(ウドゥー)を行う水場もまた独特で、天井に円形の吹き抜けが造られ、見上げると空とミナレットが目に映る。対岸と同じくメッカの方角が側面の大ドームになるが、キブラ壁にミフラーブの凹みもないため、ガイドは無いが金細工の大きなミンバルが真ん中に立つ。
Sultan Ismail Mosque
Muar, Malaysia : ムアル・マレーシア ジョホール州には過去、統治していたスルタンがイギリスと強く結びついており、その後の植民地時代を通じて西洋建築の技術を取り入れた建築物が多くある。ジョホール州境手前に近いムアルに街を代表する大きなモスクが2箇所あるのだが、このモスクも、また Sultan Ibrahim Jamek Mosque と呼ばれるモスクも英国植民地時代を彷彿させる西洋建築とイスラーム建築が融合したデザインで造られた。街を流れるムアル川を挟んで、どちらもなぜかほぼ同じような構造である。寄棟造りの屋根と西側面に大きなドーム、反対側の東側面に細い柱で支える四角形のバルコニーと窓のあるミナレットと、一見ではパーツごとの区別は難しいくらい似ている。礼拝堂内部はアーチや柱頭に西洋建築らしさも感じるが、マレーやアラブの文様なども取り入れている。大きな木製の彫刻が施されたミンバルが独立して立っており、キブラ壁にある凹みをもつ形状のミフラーブはない。その背後にはブロークン・ペディメントで装飾された星の文様入りのドアがある。ドアの裏は外から見ると側壁の大きなドームのある半円形の部屋なのだが、特に部屋に何か宗教的な機能があるようでもなかった。寄棟造りの屋根なので、天井は外から見る限り普通の屋根だが、ドームは礼拝堂中心上部にある。
Ali Pasha Mosque
Sarajevo, Bosnia and Herzegovina : サラエヴォ・ボスニア ヘルツェゴヴィナ サラエヴォ市内のオスマン帝国時代の建築が多く残る旧市街から少し離れた場所にこのモスクはある。中低層の建物や新しいショッピングモールなどが建つエリアであるが、このモスクだけは広く緑地が取られ樹木が立ち並ぶ中で静かに佇んでいる。オスマン帝国時代の高官であるハディム・アリ・パシャが名の由来であり、オスマン様式で建築され1561年に完成した。1本のミナレットと1個の大ドーム、回廊の上部に3つの小ドームをもっている。ボスニア内戦時に損傷を受けたがその後改築された。メインのドームの内側を飾る装飾はなく、白く塗られたドーム周囲に窓枠とそれを模ったデザインの枠があるのみ。控えめなデザインが美しい。