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Al-Akbar Mosque -Colombo-

Colombo, Sri Lanka : コロンボ・スリランカ  このモスクの建つSlave Islandは、コロンボ市内のフォート地区からベイラ湖の運河を隔てた半島状の地区であり、長い植民地時代に連れてきた奴隷達を住まわせていたことからそう呼ばれている。ポルトガル時代からオランダ時代を経て、イギリス時代となる1859年にTalep Akbarと呼ばれた商人によって建立された。正面真ん中の大きなアーチ上部に欄干に隠れて上手く見えないがメインドームあり、バルコニー型の装飾付いた4本のミナレットがそれを囲んでいる。ベージュ色の重厚なコロニアル建築に聳えるシャープなミナレットのバランスが美しい。内部は思いのほか広く、いくつかの礼拝室があった。訪問時は広い駐車場にたくさんの車が停まっており、そのすべてではないであろうがたくさんの人が訪れていた。メインドームは一度入り口から入った後に廊下を伝い、見上げることができるが礼拝室上ではなく左右からの廊下と廊下が交わるアーチに囲まれた狭い真っ白な空間にある。然して重要な空間ではないのか、短い時間ではあったが滞在中に誰も来ることはなかった。

Meera Maccam Mosque

Kandy, Sri Lanka : キャンディ・スリランカ  キャンディ市内の商業地区の端、喧騒が途切れた辺りに建つ。敷地は道路から少し高台になった土地にあるため、街を抜けてモスクに着くと階段からモスクを見上げることになる。モスクに上がる階段真正面は線路が走っており、モスクに着くとちょうど、列車が走り抜けて行った。1824年に建造されたモスクの建物は長方形で、長い辺の側にミナレットやドームを模した装飾が繰り返し並ぶ特徴的なファサードをもつ。メインのミナレットやドームはなく、平面的な装飾を建物に貼り付けているような構造だ。 過去の資料を見ると、訪問時は白を基調に緑のアクセントを入れた塗装であったが、白とオレンジ、ほかにも緑の濃淡の組み合わせと、時折まったく違う色に塗り替えられている。訪れた時点では外壁の白さはくっきりしており、塗り替えられてあまり時間は経っていないようだ。内部は木製の扉とステンドグラスのアーチでいくつかの部屋で区切られており、立ち並ぶ窓からの柔らかい光に照らされていた。

Ketchimale Mosque

Beruwala, Sri Lanka : ベルワラ・スリランカ  ベルワラはコロンボからゴールへ向かう途中にある小さな漁港の街で、その港に突き出した岬の小高い丘に真っ白なモスクが建っている。街には1024年ごろからムスリムの商人達が訪れており、このモスクもスリランカ国内最古のうちの一つとしても知られている。モスクを囲む左右のテラスからはインド洋と港をそれぞれ望め、訪れた昼過ぎは参拝客なのであろうか、地元の人々がピクニックを楽しんでおり、絶好の観光スポットになっているようだ。小さなモスクの周りにはあまりに多くの人々がいて写真を撮ることが難しい位であった。モスクのある丘を登る手前は小さなビーチになっており、ここにもたくさんの人が憩いのときを過ごしていた。周りの喧騒を忘れたようにモスクの中は静寂で、窓の向こうには海が広がっていた。礼拝堂は黄色く塗られた壁と白いシンプルなミフラーブ、独特な黄色と白色の市松模様のフラットな天井をもち、窓からの光で照らされていた。モスク内部のドームのある側の部屋は、イエメンから来た王子であるAsh-Shaikh Ashraff Waliullahがこの地に移り住み死を迎え、それを弔う霊廟になっている。モスクの門番に案内をされ、少しだけ覗かせてもらうことができた。

Hanafi Mosque

Kandy, Sri Lanka : キャンディ・スリランカ  キャンディ市内の繁華街にある、ストライプと格子で彩られたモスク。食事や買い物をする人々で賑わう通りの商店と商店の間に隙間なく建っており、礼拝の場が日常から1区画だけ切り取られたように忽然と現れる。現在はファサードすべてが赤と白の配色で統一され建物全体がモスクに見えるが、以前は階上の窓の並ぶ層は現在の市松模様と違い緑色に塗られていた。その当時は3角屋根の箱型のビルにモスクの装飾がはめ込まれた状態で、ミナレットなどの装飾は建物とは一体となっていない様子であった。裏路地にも回ってみたがモスクの横と後ろ側の壁は今でも全部緑色のままであった。赤と白のストライプと格子を組み合わせたデザインはコロンボのJami Ul-Alfar Mosqueを彷彿させ、同じく地元ではRed Mosqueとも呼ばれている。天井にドームはなく、ミナレットは10本あり、そのうち2本が屋根から突き出している。建物は真正面からよく見ると左右非対称で、左右両端のミナレットの位置が異なるのが面白い。白を基調に茶と金を使った礼拝堂内は吹き抜けの絶妙な緩いカーブが美しく、階上から届く金色の光に淡く照らされていた。

Meeran Jumma Mosque

Galle, Sri Lanka : ゴール・スリランカ  モスクの門をくぐると「ここは教会ではないんだよ。」と早速門番から声を掛けられた。離れてよく見れば控え目な5本のミナレットやファサード頭頂部の月の紋章、2本の尖塔上の小さなドームに気が付くが、一見しただけではキリスト教会に見紛う重厚な建築だ。様式についてはインドのゴアなどで見られるポルトガル植民地独特のバロック様式で建造されていると思うのだが、1904年完成との通説ではイギリス領セイロン時代となり様式が合わない。モスクはそれ以前に原型があった様子なので、その年に現在の外観に改築されたのではないか。このモスクのあるゴール旧市街は城壁に囲まれた要塞の街で長くポルトガル、オランダ、イギリスに支配されていた。今も当時のコロニアル建築が数多く残っており、ヨーロッパとアジアの混じったデザインの柱やアーチのあるファサードと白い壁、オレンジ色の屋根の美しい街並みが続き、多くの観光客を呼び寄せている。この白亜のモスクも道路から砦に上り眺めると、屋根の欄干とミナレット越しに付近の家屋と同じ濃淡のあるオレンジ色の瓦を覗かせているのがわかる。ゴールには古くから交易のためアラブ人達が訪れ住んでおり、特にこの旧市街にはイスラーム教徒が多いようだ。周囲にも別のモスクやイスラーム学校などもあり、礼拝に訪れていた一人も、モロッコから来た商人の末裔とのことであった。モスク内部は白い壁、柔らかい曲線のアーチ、床のくすんだオレンジのタイル、こげ茶色の木製の天井とすべてが相まって静寂さを醸し出している。礼拝堂の壁は淡い黄色で塗られ、天井は高く、見上げると2階の屋根までも吹き抜けになっている。海岸沿いの砦の先端辺りに建っているため、白い壁のアーチの窓からはぼんやりと青いインド洋が浮かんで見えていた。

Dawatagaha Mosque

Colombo, Sri Lanka : コロンボ・スリランカ  コロンボ中心の車やバスや三輪タクシーが行き交う喧騒の中に、林立するムガール様式の白いミナレットと金色のドームをもつモスクが建っている。1885年完成の文字が刻まれた門をくぐると、いくつかの建物に分かれているのがわかる。向かって右側に表通りに面して建つ、小さなドームの付いた6本のミナレットのある建物が礼拝室となっていた。天井はフラットで2階がバルコニーとなっており、1階のみ見学ができたので最上階にある金色のドームは望むことはできなかった。入って中央すぐ右横には、頭上に緑色地に白い幾何学文様の入ったドームの付いた小さな部屋がある。この部屋は聖人であるSheikh Usman Waliullahの廟になっており、跪き祈りを捧げる人々が絶えない。ドーム内側はクリーム色に、内装は白と金で美しく装飾されている。入って正面の真ん中の少し背の高い塔には金色のドームが乗り、内側は濃いグリーンに塗られている。塔は吹き抜けで、1階から頭上のドームを見上げることができた。この棟は他のモスクとは違う特徴でもある、民間伝承の信仰の場になっており、油のランプが置かれている。その奥の部屋も表通りからは見えなかったが小さなドームをもち、内側は淡いグリーンの光で照らされていた。ここでは油売りの女性が油の鍋を壊してしまい、稼ぎがなくなり途方に暮れて眠りについてしまったところに緑の衣の老人が現れ、彼女を救うため油を地面から噴き出させたという奇跡が語り継がれている。そのため、非ムスリムであっても油ランプの部屋に緑の布を結びつけ願いを祈るために訪れるという珍しいモスクとなっている。

Jami Ul-Alfar Mosque

Colombo, Sri Lanka : コロンボ・スリランカ  コロンボ下町の喧騒の中に、赤の白のストライプと格子模様のレンガに覆われた個性的なモスクが建つ。通りに立ち並ぶさまざまな商店が突如として途切れ、周囲と異なる色彩が現れる。その色合いから、別名Red Mosqueとも呼ばれている。2nd Cross StreetとMain Streetの交差点に跨って建っているが、交差点はモスクと関係のない独立した商店になっている。Main Street側は奥行きのあるファサードとなっているが、隣のビルの壁にモスクの壁と同じ赤白のストライプと格子の壁をつくり、擬似的な窓の形までも取っているのが面白い。インド・サラセン様式を取り入れたデザインで造られ、1909年に完成した。メインのミナレットには時計が付き、上部にあるドームは石榴をイメージした形状とのことだ。