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Gazi Mehmet Pasha Mosque (Bajrakli Mosque)

Prizren, Kosovo : プリズレン・コソボ  1563年から1574年にかけて、モスクやマドラサ(高等学校)、図書館などで構成される複合施設として建造された。周囲にはオスマン時代のハマーム(トルコ式の浴場)や他のモスクなどの歴史的建造物が集う。デザインは伝統的なオスマン様式により、正方形の礼拝堂は3方をポーチに囲まれ、上部は8角形の台座にドームをもつ。ポーチを覆う大きな屋根は茶色の木製で白い壁やアーチとのコントラストが映える。内部のミフラーブとミンバルは大理石で造られており、壁の塗装は1996年に大規模な修復を受けて今に至る。

Emin Pasha Mosque

Prizren, Kosovo : プリズレン・コソボ  プリズレンにモスクや時計塔などの建築物を残した貴族一家のMehmed Emin Pashaによって造られ1832年に完成した。歴史のあるモスクであるが、2014年に庭やモスクの外装と内装の修復があり、特に内部のブルーが基調の植物文様の装飾は美しく描かれている。トルコの機関からの援助があり、修復完成時の式典にはトルコの首都アンカラからのビデオリンクでエルドアン大統領も参加したという力の入れようだ。オスマン様式のモスクであるが、おそらくプリズレンで観光客が一番最初に訪れることが多いであろう Sinan Pasha Mosque に似ており、そのコピーとして建てられたとのことである。特に奥へ突き出したミフラーブの上部に半ドームが載った構造はまったく同じであり、描かれた絵も同じく太陽のモチーフに4本のミナレットのモスクが描かれていた。もし時間があれば見比べるのも面白いと思う。

Jashar Pasha Mosque

Pristina, Kosovo : プリシュティナ・コソボ  オスマン帝国時代の現在マケドニア・スコピエ市の総督も後に務めたJashar Mehmet Pashaの名を冠したモスクであり、プリシュティナ旧市街にいくつかある歴史的建造物の一つ。モスク自体は15世紀ごろに建造されたものであるが、プリシュティナの裕福な市民であった彼の資金提供により1834年に、今の原型に改築された。一見、鉛で覆われたドームと鉛筆型のミナレットをもつ典型的なオスマン様式のモスクであるが、通常のオスマン建築にあるようないくつかの小ドームが載った柱廊玄関は道路の拡張で破壊され、このモスクの特徴でもある木製のポーチに置き換えられた。その後、ポーチも含め全体をトルコの機関により修復されている。ポーチと礼拝堂を区切るファサードの壁やドア、ドームなど内部の装飾は、緑や青や茶色を使い、植物をメインのモチーフに使っており可憐で美しい。バルコニーは大きくオレンジ色が使われ、ミンバルやドームの花のモチーフなどにも差し色で使われているのがわかる。

Sinan Pasha Mosque -Prizren-

Prizren, Kosovo : プリズレン・コソボ  プリズレンはコソボ南部にあるオスマン帝国時代の文化遺産の残る街で、モスクはツーリストで賑わう中心部を見下ろすように建つ。すぐそばを流れるPrizren Bistricaと呼ばれる川にかかる石橋とともに街のランドマークとなっている。 オスマン帝国の政治家Sofi Sinan Pashaにより建造され1615年に完成した。以降幾度かの修復を経ている。通りから見ると近隣の商店街の2階くらいの高さにエントランスがあり、4つの柱と3個の小ドームをもつポルティコへは階段を上っていくことになる。オスマン様式の建築で正方形の礼拝室の上部は8角形の台座で大ドームを支えている。ミフラーブは壁から大きく突き出ているのが特徴で、奥行き感があり上部には半ドームが載っている。内部の装飾はバルカン半島で時折見かけるデフォルメされていない花や植物文様で彩られ、ミフラーブ上のドームには4本のミナレットのモスクが描かれていた。

Sultan Mehmet Fatih Mosque (Mbretit Mosque)

Pristina, Kosovo : プリシュティナ・コソボ  その名となったSultan Mehmet II Al-Fatihの命よって建設され1461年に完成した。トルコ政府機関の援助により修復されている。「皇帝=Mbretitのモスク」との別名もあり、プリシュティナでは一番の大きさである。オスマン様式で建造され、鉛筆型の1本のミナレット、1個の大ドームと入り口のポルティコ(柱廊玄関)上に3個の小ドームをもつ。ファサードの2枚の窓だけは丸く愛嬌がある。モスク全体の装飾として主に反復する青い植物文様が描かれている。

Bajrampasha Isa Beg Mosque (Zallit Mosque)

Mitrovica, Kosovo : ミトロヴィツァ・コソボ  コソボの地方都市ミトロヴィツァの中心に建造された新しいモスクである。内戦で傷みが激しく取り壊した古いIsa Begモスクの跡地に、トルコの政府組織やトルコのBayrampasa自治体より資金や工芸技術者の提供を受け造られた。呼称が複数あり「Bajrampasha」「Isa Beg」「Zallit」のどれかや、複数を組み合わせて呼ばれている。デザインは外装と内装ともにトルコ国内にある数多くのモスクと同じ典型的なオスマン様式の建築で、先端が尖り鍾乳石状の装飾の付いた48mの2本のミナレットをもつ。