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Pertevniyal Valide Sultan Mosque

Istanbul, Turkey : イスタンブール・トルコ  緻密な礼拝堂の外装を大通りの交差点向けて建つ、目をひくデザインのモスクで、映える重厚な外観からか観光客が幾人も背景に入れ撮影をしていた。外観に目を引くようなデザインを取り入れない典型的なオスマン帝国時代の様式のモスクと異なり、オスマン様式にゴシック様式その他を折衷したものに見える。ミフラーブのある交差点側、礼拝堂のキブラ壁の窓枠の装飾は、最早ゴシック教会そのままである。礼拝堂4隅の尖塔の先端には、玉葱型というよりもバングラデシュのオールドダッカのモスクで見かけたような南瓜型の小さなドームが載っている。どちらが正面なのかわからないほど緻密な飾られたのと逆にエントランスのホール側はそれほどの密度の装飾はない。ミナレットは2本、ドーム自体のデザインはオスマン様式であるが半ドームや小ドームを組み合わせるようなデザインはなく、メインドーム1個のみ。玄関壁には1871完成の碑が貼られている。建築は明らかにヨーロッパ系の建築家によるもので、諸説あるがモスクの公式の案内板では、当時西洋建築の技術でモスクや宮殿を建造していた建築家一家のSarkis Balyanらによるものと考えられるようだ。表通りから掘り下げた門も同じく緻密に造り込まれているので、そちらも見るとよいと思う。

Goowatin Islam Mosque

Bangok, Thailand : バンコク・タイ  モスクはチャオプラヤー川沿いに佇み、川辺にテラスと小さな船着き場をもつ歴史建築である。寄棟造りの緑色のタイル屋根に白い壁と、旧市街付近に古くから立ち並ぶコロニアル建築と趣きはさほど変わらないが門や壁にはアーチが彫り込まれおりモスクであることがわかる。ミナレットは川側からしか望めず、川が生活の中心であった時代を感じる。ドームは礼拝堂になく、テラスの休憩所の上に飾られているおり、こちらも陸側からは殆ど見ることができない。現在はこの付近にはインド系のコミュニティはないが、モスクは過去、マレーシアやインドからのムスリム移民のために造られたもの。付近一帯は成功したインド系の富豪ナナ家の土地で、当時はインド系住民が多く住んでおり、赤いレンガの倉庫が立ち並んでいたそうだ。近くにある Saifee Mosque もインド系のコミュニティの史跡のひとつである。他にもナナ家の経営する会社の名の入った記念のゲートも再建されたものではあるが、近くに残されている。おそらく今ではムスリム自体がこの地域に殆どいないようで、今回は好意で礼拝堂まで入ることができたが、本来はモスクは閉じており、金曜日にのみ開けているとのことである。

TNB Bangsar Mosque

Kuala Lumpur, Malaysia : クアラルンプール・マレーシア  マレーシア随一の巨大電力会社TNB-Tenaga Nasional Berhadの敷地内にある、モスクと複合施設で全体をKompleks Balai Islam An-Nurとも呼ばれている。2019年完成の現代建築でで、モスクは角が丸い不規則な5角形の3階建てでできている。白い優美な曲線と対照的なシャープなミナレット、控えめな高さのドームのミニマムなバランスが絶妙である。昼下がりの暑さの中、モスクはそよ風が通り抜け、付近の高層ビルを水面のように反射する床はひんやりとしていた。社の敷地内にあるため、従業員のためだけのモスクなのではないかと思っていたが、そうではなく外部からの礼拝は可能とのことだ。訪れたのは日曜日で誰もおらず、英語と少しの日本語を話せる警備員と話をした。

Al-Ehsan Mosque

Chau Doc, Vietnam : チャウドック・ベトナム  このモスクのあるDa Phuoc Cham村は市中心部から橋で河を渡った対岸先にあるムスリムの村である。高床の家が並び、買い物にムスリマ達が集まる小さな市場を見るとベトナムとは思えない、不思議な雰囲気だ。チャウドック市内中心はそれほどイスラームを感じない。対岸側へ渡り少し辺鄙な場所まで来ると、大乗仏教や中国発祥のベトナム文化と全く異なった世界が広がっていてなかなか面白い。実際に2組の観光客がガイドに連れられてモスクと村を訪れていた。このモスクも失礼ながら村の規模に比べると随分立派で、5行からなのか数に特徴のある5本のミナレット、金色の大きな8角のドームが随分遠くからも目立つ。外見だけでなく、礼拝堂内部も白、金、エメラルドグリーンで飾られ、美しくメンテナンスされている。礼拝室はミフラーブ側、ドーム側と2カ所にアーチで区切られている。ここは他に比べそれほどアーチやドームのデザインに南インドらしいの様式は感じられず、タイにあるモスクに相似を感じる。

Kariye Mosque

Istanbul, Turkey : イスタンブール・トルコ  ビザンツ帝国時代に建造されたギリシャ正教会のThe Chora Churchをオスマン帝国の占拠後に転用したモスクであり、現在は博物館とモスクの複合施設として使用されている。教会からモスク、そして世俗化し博物館へ、その後モスクに戻され、一部を博物館と共用することになった経緯がある。訪問時点ではモスクになってから数年間の最後の修復が終えたところであった。構造は1本のミナレット以外ビザンツ様式の正教会ほぼそのままで、ドームは6個、外壁に大きなバットレスが突き出ている。内部は大きく4箇所に分かれ、うちL字型の内部拝廊と外部拝廊(インナーナルテックスとアウターナルテックス)、墓廟礼拝堂(パレクレシオン)には、ギリシャ正教会時代のフレスコ画とモザイクが残されている。L字に囲まれた現在礼拝室として使用しているナオス(内陣)には、ミフラーブ、ミンバルが置かれている。礼拝室左右と柵があるため見えにくいがエントランス真上の壁3箇所にはまだモザイクのパネルが残されている。うち1枚は聖母子のモザイクでよく目立つのだが、スタッフに礼拝時はどうするのか聞いたところ、パネルの上にロールカーテンがあり、礼拝時間はスクリーンとしてカーテンを下すとのことであった。 Hagia Sophia Grand Mosque とは規模は違うが、立ち位置は似ているので興味があればお勧めのモスクである。

King Hussein Mosque

Amman, Jordan : アンマン・ヨルダン  まるで要塞のようなヨルダン最大級のモスクがアンマン北西の小高い丘に建つ。公園に隣接しており、モスクの周囲は樹木で覆われているが、遠くから赤銅色のメインドームと四角形の大きな4本のミナレットがとても目立つ。モスクは完全な正方形で、石材はヨルダン産の淡いベージュ色の石灰岩が使用されている。デザインは地中海近辺のモスクに似ており、礼拝堂の大きなアーチのエントランスはストライプ模様のレバント地域で見られるものだ。モスクは半分が中庭で半分が礼拝堂になっており、外の庭からモスクへ入ると、柔らかい光の差分が美しい交差ヴォールトの回廊をくぐり抜けて礼拝堂に向かう。礼拝堂は金色の巨大なシャンデリアが中庭と同じ交差ヴォールトの天井に吊り下がり、ベージュの壁と絨毯の差し色の黒と赤の色合わせが現代風の洗練された雰囲気である。画像では見えにくいが、ドーム直下のミフラーブとミンバルとキブラ壁は木製で、イスラーム文様のモザイクとカリグラフィーの彫刻で装飾されている。

Mubarak Mosque

Chau Doc, Vietnam : チャウドック・ベトナム  チャウドック市街地の川を挟み対岸側に建つ、前に紹介した Jamiul Azhar Mosque 近くにあるモスクである。それほど人通りの多い集落でもないのであるが、近辺はモスクがいくつかあり、住民のチャム族のイスラーム信仰の深さを感じる。メインドームは2つあり、8角形のベランダに小ドームを載せた2層のミナレットは中央に1本、礼拝堂の4隅に小ドームの載せた尖塔が建つ。ファサードの回廊のアーチはインドのイスラーム建築で使われる多弁形アーチを使用している。どことなくマレーシアで見られるインドサラセン建築やムガール建築の要素が見られるようだ。ベージュ色、白を基調にターコイズグリーンの差し色で装飾されており、月と星のオーナメント以外に装飾は見られず、シンプルだ。礼拝堂内部の2つのドームは各々4本のターコイズグリーンのモザイクの柱で支えられている。

Miktat Agaoglu Mosque

Istanbul, Turkey : イスタンブール・トルコ  このモスクはイスタンブール郊外のMaslakと呼ばれる、工科大学や中高層ビル群が立ち並ぶモダンな新興開発地区に造られた。それに相応しく、モスクも一見そうとは見えぬデザインである。ミナレットは鉄骨が剥き出しのままで、礼拝堂を囲む屋根が先端で鉄骨を挟んで天を突き上がっていくユニークな構造である。モスクは建設や観光業を営む私企業会長のAli Ağaoğlu氏により建造され2020年に完成した。亡き父の名を冠している。本人も建築家であるそうで、黒字に金色の円を組み合わせた文様の屋根、星の幾何学文様が透けるガラスに捻りの入った円の幾何学文様の格子パネルを重ね、伝統の意匠とモダンを組み合わせたスタイリッシュな礼拝堂を造り上げた。内部も黒字に金を差し色のカリグラフィーを配した落ち着いた雰囲気で、天井のルーバーの直線的な構造に大小3個の円のドームがよく映えている。ルーバーの一部の緩やかな張り出しにドームの内側文様部分が埋め込まれており、ドーム自体の内壁は見ることができない構造になっている。

As-Salt Grand Mosque

As-Salt, Jordan : サルト・ヨルダン  丘陵にクリームイエローの壁の建物がひしめき合う、独特な景観のAs-Saltにある大モスクである。モスクの原型は現在のエジプトを中心としてたマムルーク朝の時代に造られたものだが、現在は全く新しく改築されている。1階は商店と礼拝堂、2階ではムスリマが集まり何か講義をしていた。商店のファサードはアラブ風でもありながら直線を使った現代建築にアレンジされている。とは言え、ドーム本体のデザインや角が落とされた台座と窓のデザインはマムルーク建築を意識しているのではないかと思う。ドームは鈍く光るグレーに塗られている。ミナレットは1本で円柱形と円のバルコニーに八角形の屋根がつく。

The Foundation of the Islamic Centre of Thailand Mosque

Bangok, Thailand : バンコク・タイ  一風変わった、朝顔の花びらのようなコンクリート造りの6角形の傘の屋根に覆われたデザインが目を引く。ブルータリズム建築とイスラーム建築の融合で、エントランスには日除けとして、同じデザインで礼拝堂の天井屋根へと続いている。屋根のメンテナンスは大変そうであるが、この日は屋根に掃除のスタッフが上がっていて、ホースで水を撒いていた。この地域はムスリムが多く、モスクは礼拝堂の他に、イスラム財団、図書館、ホールや食事のスペースなどもある、地域のコミュニティセンターとして利用されている。六角形の礼拝堂はイスラーム文様の青いステンドグラスに覆われ、黒と金を基調にした厳かな内装であった。ドームはないが、前述の優美な曲面と鋭いエッジの天井はまるで万華鏡のようで実に美しいものだ。