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Showing posts from February, 2024

Old Friday Mosque

Malé, Maldives : マレ・モルディブ  ディベヒ語では「Hukuru Miskiiy」と呼ばれており、モルディブ最古のモスクであり、マレの史跡となる歴史建築でもある。珊瑚石(石灰岩)でできたクリーム色の壁と石彫り、内部の緻密な深い茶色の木彫り、灯台のような形の太い円柱状の縞模様のミナレットと、特徴のある要素をもつ。モルディブの海を訪れる際、マレ市内を観光で巡る機会もあまりないかとも思うが、歴史建築に興味があるのならモスクの天井や柱や壁、ミフラーブ等のデザインはなかなかの見どころではないかと思う。修復とメンテナンスされているので外見からはあまり古さは感じないが、細部からは十分に長い歴史を感じられる。白い中庭には墓地と幾つかの歴代スルタンの霊廟が並び、モスクの礼拝堂は段々になった金属製の屋根の細長い建物である。起こりは1153年にスルタンであるMohamed Ibn Abdullahによってモルディブで初めてのモスクが造られ、その後現在のモスクの原型の建造が1656年に開始した。円柱状の大きなミナレットは1674年に完成し、以降モスクは幾たびか改装・修復されて今に至る。

Bait Ur Rouf Mosque

Dhaka, Bangladesh : ダッカ・バングラデシュ  ミナレットやドームの無い、レンガを積み上げた現代建築のモスクがダッカ郊外にある。建造されたのは2012年、当時ではイスラームの伝統的な意匠を敢えて用いない、モダンでミニマムなデザインのモスクの先駆けであったであったと思う。レンガは積まれた壁の部分と、1段置きに斜めに隙間を作って入れ込んでいる部分があり、そこから光と風を取り入れる。モスクの礼拝堂は角度のついた正方形で、その周囲は円周で囲まれており、その外側をさらに外壁の正方形で囲んでいる。光と風は外壁からだけでなく、内部の湾曲した中庭状の吹き抜けと天井の4隅からも採られているので、中はレンガに囲まれた外側から見るよりだいぶ明るい。採光と通風も、できるだけ自然の力を利用しようとしているのがわかる。天井はドームは無いのだが台座上の天井があり、ランダムに開けられた丸い穴と前述の4隅から神秘的に光が注ぐ。ミフラーブは通常のモスクにあるような凹みはなく、キブラ壁にレンガで湾曲した壁に1本の隙間を作り、そこから直線の光が入るだけである。デザインはバングラディシュ人の女性建築家であるMarina Tabassum氏で、このモスクでアガ・カーン建築賞を受賞した。バングラディシュ国内で同じようなコンセプトでモスクや他建築のデザインもしており、レンガを積んだミニマムな美しい建築を見ることができる。