Zagreb Mosque
Zagreb, Croatia : ザグレブ・クロアチア
首都ザグレブにある、クロアチアに現在数カ所のみあるモスクの中央的存在である。クロアチア人は伝統的にローマカトリックを信仰しており、オスマン帝国侵攻後の改宗や、人種と宗教の坩堝であった旧ユーゴスラビア時代、その後の戦争でムスリムの流入があったが全体を見るとムスリムはごくわずかである。個人的な印象であるが、旧ユーゴ諸国の中でも、クロアチアは少ないムスリム人口の割には大規模なモスクが建造されていて、人種宗教観の揉め事の多いバルカンでは割と先進的、共存共生に寛容な気がする。ザグレブはオスマン帝国に占領されずにいたためモスクは無く、新しく中央モスクと図書館や学校がある複合施設が建造された。デザインはボスニアのボシュニャク人建築家Dzemal ČelićとエンジニアのMirza Gološによるもの。従来のバルカン半島で見られるオスマン様式や箱型寄棟造りのモスクの要素はミナレット以外になく、かと言って最新のテクノロジー要素のある近代建築でもなく、緩やかな曲線のドームを3個に切り取って頭頂部をずらして開口部から光を取るというポストモダン的な要素を感じる。内部のバルコニーやミフラーブ、ミンバルも滑らかな曲線を利用してデザインされている。
ロケーション:ザグレブ中心からは鉄道の線路を越え、長距離バスターミナルのあるMarina Držića通りを更に南へ行く。市内から徒歩では遠いが、バスターミナルを通るトラムの6・7・8番のどれかに乗りFolnegovićevo Naselje駅下車、団地の中を進み、緑地を横切るとモスクのある公園へ着く。
訪問:ドームに直接つながるエントランスは使用していないようなので、併設する管理事務所のドアから中に入ると受付がある。ただ、訪問時は受付には誰もおらず、外にいたスタッフに確認して礼拝堂へ向かった。
撮影:外観・内装ともに制限なし。