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Showing posts from December, 2018

Al-Mashun Grand Mosque (Medan Grand Mosque)

Medan, Indonesia : メダン・インドネシア  スマトラ島最大の都市メダンにある、黒い5つのドームと正面から望むと翼を広げた形の回廊が特徴的なモスク。ミナレットは礼拝堂に隣接せず、離れて建っている。ムーア様式のデザインを取り入れ、輸入されたガラスや大理石の建材を使用し、1909年に完成した。正方形の4隅の角に小ドームをもつポーチを配し、それを繋ぐ回廊がメインドームのある礼拝室を囲んでいる。回廊は茶色と薄い青緑色で植物文様の彫刻を施された馬蹄形アーチで区切られている。ポーチのステンドグラスは花の文様で彩られ、内装と同じ茶色と薄い青緑色の2色が使われており美しい。礼拝室上のドームは中心で八角形の台座を8本の柱とストライプのアーチによって支えられている。内部の装飾は多様な文様や色の組み合わせであるが、派手さではなく調和を感じる。

Bang-o Mosque

Bangkok, Thailand : バンコク・タイ  チャオプラヤー川に向かって建つ西洋建築風のモスク。アユタヤから来たペルシア人商人の移民コミュニティによって1919年に造られた。当時のタイではルネサンス様式を取り入れた建築が多く造られ、このモスクもルネサンス様式とイスラーム建築の折衷でデザインされた。左右対称にドームが乗った2本の尖塔のある長方形のファサード側はチャオプラヤー川沿いに平行に立っている。その奥に続く礼拝室はメッカの方向へ角度がついて屈折しており、その傾きを埋めるために三角形の小部屋を挟んでいた。ファサード側にはホールがあり、その両端には尖塔へ上る螺旋階段が付いている。敷地内はモスクと、以前は学校として使われて、現在も大人のためのイスラームの教義を学ぶ木造建築の教室、新しくペルシア様式のデザインで造られた多目的ホールがある。

Melaka Straits Mosque

Malacca(Melaka), Malaysia : マラッカ・マレーシア  マラッカ市の沖に造成された人工島であるマラッカ島にある水上モスク。2006年に完成した。エントランスは陸に接し、高さ30mのミナレットは陸側に建っている。モスク本体の足場は海へ打ち込まれており、礼拝堂の3面は海に面している。1面はミフラーブのあるキブラ壁となり、もう2面には礼拝室から突き出たテラスがある。ここからマラッカ海峡を望むことができ、たくさんの観光客が訪れていた。4面すべてに大きな緑色のステンドグラスのアーチが飾られ、角にある尖塔はオレンジ色のマレー式デザインの屋根がついている。内部は白1色でカリグラフィーなどはなく、幾何学文様のすかしが入った壁から漏れる光が装飾になっていた。

Gazi Husrev-Beg Mosque

Sarajevo, Bosnia and Herzegovina : サラエヴォ・ボスニア ヘルツェゴヴィナ  サラエヴォ旧市街のメインストリートに沿って建ち、市内観光のハイライトとして多くの観光客を集めている。オスマン帝国時代の政治家Gazi Husrev-Begの資金により、モスクや学校などの複合施設の一つとして建造され、1531年ごろに完成した。庭にある2箇所の霊廟のうちの一つは彼のために造られたものだ。オスマン様式のデザインでポルティコに5個の小ドーム、上部に1個の大ドームと2個の小ドームをもつ。また、ミフラーブのあるキブラ壁上部は半ドームが据えられムカルナス(鍾乳石飾り)が施されている。モスクはその後火災や近年の内戦で損壊され、現在の内装は2001年ごろに修復されており新しい。ミナレットも鉛筆型のオスマン様式で造られ、装飾はほとんどない。礼拝の呼びかけ(アザーン)はスピーカーを使わず肉声で行うとのことであったが、そのことは後から知ったために拝聴することはできなかった。