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Jama Masjid / Mosque

Delhi, India : デリー・インド  インドを代表するムガール様式のモスク。ムガール皇帝シャー・ジャハーンの命と建築家Ustad Khalilの手により1656年に完成した。赤い砂岩と白い大理石で建造され、3つの大ドームと2本の40mのミナレットをもつ。広く取られた中庭は2万5千人の礼拝者を収容するという途方もない規模である。内部の礼拝所に沿う細長い回廊を歩くことができ、高い吹き抜けと文様の入ったアーチが続く様は圧巻。料金を支払いミナレットに登ることも可能で、途中で巨大なドームを真横に見ながらミナレットへ向かうのであるが、なかなか他のモスクではできない体験だ。

Suleymaniye Mosque

Istanbul, Turkey : イスタンブール・トルコ  天才建築家ミマール・スィナンの手によって造られたトルコを代表するオスマン様式建築のモスク。オスマン帝国の皇帝スレイマン1世の命により、1557年に完成した。旧市街の丘の上に威厳をもって聳え立ち、海側から街を見るとよく目立つ。2本の高さ74mと異なる高さの2本の56mの計4本のミナレットと、直径27mものドームをもつ巨大なモスクだ。スィナンの技法により、4本の柱とアーチ、そして半ドームと小ドームでメインの大ドームを支えている。ドームには明り取りの窓が無数に並び、そこから差し込む光はドーム内部とストライプのアーチを照らす。垂直に切り立った壁のステンドグラスとともに採光に優れた構造で、このモスクの荘厳な内部は、それらの機能によってもたらされているのがわかる。

Brunei International Airport Mosque

Bandar Seri Begawan, Brunei : バンダルスリブガワン・ブルネイ  石油と天然ガスで潤うブルネイの表玄関、ブルネイ国際空港の旅客ターミナルの横にあるモスク。通常イスラーム圏の空港には決して大きくはないが礼拝室が設けられ、旅行中のイスラーム教徒でも礼拝が可能である。しかしここブルネイでは、一つのモスクが空港の施設として機能しているのだ。デザインは切り取ったようなシャープな四角の面を基調とし、色も白・ベージュ・茶と端整な色調だ。全体にシンプルな外装であるが、グラスファイバーを使った大ドームとミナレットのドームの青い可憐な幾何学パターンがアクセントになっている。

Mogul Shiah Mosque

Yangon, Myanmar : ヤンゴン・ミャンマー  ヤンゴン一のランドマークである仏塔、スーレーパゴダから徒歩でわずかな場所にあるモスク。建物自体はメインストリートであるMahabandoola通りに建っているが1階は商店が並んでおり、入り口は路地を入った少し奥にある。大通りのモスク側を歩いている分には、ここがモスクであることも気がつかないであろう。路地に面して2本の約33mのミナレットをもち、その背後にアーチ形の大きな3つの開口部をもつムガール様式の建築で1918年に完成した。外装は薄いクリーム色、文様やストライプの装飾は黒のみと凝った意匠はないがシンプルで美しい。

Ubudiah Mosque

Kuala Kangsar, Malaysia : クアラカンサー・マレーシア  マレーシア中部ペラ州の都市・イポーから少し離れた小さな街の丘の上に、マレーシアで一番美しいと形容されるモスクがある。クアラカンサーはペラ州のスルタンと呼ばれるイスラームの王が住む街で、モスクは当時のスルタンの命令によって建造され、1917年に完成した。回廊には馬蹄形のアーチを配し、ストライプに塗り分けられた4本のミナレット、そして金色の大ドームをもつ。クアラルンプール駅も手掛けたイギリスの建築家であるArthur Benison Hubbackの作品であり、ムーア様式とムガール様式のどちらをも感じる、これらとゴシック様式を融合したインド・サラセン様式デザインである。マレーシアのモスクの中でも一際モスクらしいデザインのモスクという印象だ。

Karadjoz Bey Mosque

Mostar, Bosnia and Herzegovina : モスタル・ボスニア ヘルツェゴビナ  1557年完成のオスマン様式のモスク。オスマン帝国支配下のモスタルで、数々の施設の建設を後援していたMehmed Bey Karadjozにより建てられその名を残した。建築の計画にはトルコの天才建築家ミマール・スィナンが携わっていたともいう。正面に3つの小ドームと大ドーム、鍾乳石状の装飾で支えられたバルコニーの付いた34.5mのミナレットをもつ。ボスニア内戦時にはミナレットも含めかなりの損傷を受けたが、修復された。礼拝堂内部は石灰岩で構成され、壁面の装飾は植物をデフォルメしたアラベスク模様でなく、実際の形状に近いままの植物類の絵が描かれている箇所もあり面白い。

Jamia Mosque -Hong Kong-

Hong Kong, Hong Kong : 香港・香港  香港島セントラルと高級住宅街であるミッドレベルの間に、「ミッドレベル・エスカレーター」と呼ばれる山の中腹を小刻みに区切りながら進むエスカレーターがある。その途中に現れる緑色に塗られた門をくぐりそれに続く階段を登ると、同じく緑色に塗られたこの古いモスクへとたどり着く。1849年に香港で最初に建造された原型のモスクは1915年にインドの建築家A. Abdool Rahimによって改築され現在の建物になった。その価値により香港政府の機関によって定められた香港の歴史的建造物リスト中で、1級の認定を受けた。

Al-Kautsar Polda Metro Jaya Mosque

Jakarta, Indonesia : ジャカルタ・インドネシア  ジャカルタ市内を貫くSudirman通り沿いの繁華街に、幾何学文様の透かしを彫り込まれた美しいミナレットとこげ茶色の文様の入ったドームを覗かせているモスクがある。向かいにはパシフィックプレイスという高級ショッピングモールがあり、そのさらにその背後は超高層ビルの立ち並ぶ商業地区だ。デザインは2本の33mのミナレットに挟まれた礼拝堂本体を、円を描く形にカーブした壁が囲み、その外側に文様のないシャープな円錐の17mの尖塔が立つという、独特の形状をしている。ドームはメインの銅製の大ドームと、4個の小ドームをもつ。細部にも渡って美しくデザインされており、インドネシアのモスクの中でもイスラミックアート性の強いモスクであると思う。

Baiken Mosque

Almaty, Kazakhstan : アルマトイ・カザフスタン  2014年に完成したアルマトイ市内はずれの交差点に立つモスク。名称は、旧ソビエト連邦時代のカザフスタン元首・バイケン・アシモフを偲んで付けられたという。金色に輝くドームと4本の高いミナレットをもち、建物は6階建てで3,000人を収容できる。外装はシンプルなベージュでアーチを支える柱には伝統的なカザフ文様も見られる。内装は全体に淡いグリーンを用いて、ミフラーブに外装と同様にカザフ文様を装飾にあしらっている。青く塗られたドームからはシャンデリアが釣り下がり華やかな印象だ。

Imeni Makhmuda Kashgari Mosque

Bishkek, Kyrgyzstan : ビシュケク・キルギスタン  2017年に完成した、2層の礼拝室で5,000人を収容するという、ビシュケクでも最大級のモスクである。11世紀にキルギスタンに住んでいたという言語学者、マフムード・カーシュガリーの名が付けられた。ファサードはクリーム色とこげ茶色のコントラストが美しい立体感のある植物文様のアラベスクで覆われている。デザインは東方アジアのイスラームとアラブのデザインを合わせ、石を切り出したそうだ。内装も植物文様をふんだんに使っていて、ドーム内側の格子状に区切られた文様は見事だ。