Saifee Mosque

Bangkok, Thailand : バンコク・タイ 

Saifee Mosque Bangkok, Thailand

三角屋根の倉庫街にある細くて暗い通路、その先の光の向こうにモスクがあるとは誰が想像できようか。今までたくさんのモスクを訪れたが、ここまで不思議な日常からの隔絶感を味わったことはないと思う。このモスクのある古い倉庫街はスパイスやハーブの貯蔵庫として今でも現役で、訪れた日は大勢の人々が路上いっぱいにスターアニスを洗い、天干ししており芳しい香りに満ちていた。モスクへはこの倉庫街の隙間にあるトンネル状の通路を抜けて出る。そしてたどり着くやすぐ目の前にゴシック様式で造られた薄いベージュの美しいモスクと明るい庭が現れる。このモスクはバンコクのほかのモスクと違い、シーア派の一派であるDawoodi Bohraと呼ばれるタイではわずかな珍しいコミュニティに属しており、この派のモスクはタイで唯一だ。インドのグジャラート州スーラト出身の貿易商人らによって、1910年に造られた由緒ある歴史をもち、その名は「剣」を意味するという。モスクはコンクリート製の長方形の箱型で屋上のバルコニーには小さな装飾の尖頭がついているが、メインのミナレットやドームはない。また、モスク内部にはミンバルもない。また礼拝堂内の2階のバルコニーには扉が付き、吹き抜けの4方向すべてをぐるりと囲っているのが特徴で、ほかでは見かけない仕様だ。2階へ上がる階段は透かし彫りの装飾の付いた木製で建物横に大きく取られている。ステンドグラスの尖頭アーチ窓、透かし彫りのアーチで飾られたポーチや玄関扉などもまた、重厚で美しい。木々茂る庭には川沿いへ向かう門も残っていたがどんな事情なのか使われず閉鎖されてしまっていた。

ロケーション:中華街からチャオプラヤ川を挟んで対岸側のKhlong San地区にある。古い街並みが今でも残る観光向けの開発がほとんどされていない地区となり、行くのは容易ではない。Khlong San地区へ着いても簡単でなく、前述のとおり、モスクが倉庫群の裏にあるため道路からは見えない。まずは、チャオプラヤエキスプレスボートのラーチャウォン船着場を目指す。ここまでは川沿いからであればエキスプレスボートにて、またはMRT Blue LineのWat Mangkon駅から徒歩15分。ラーチャウォン船着場から対岸に進むCross River Ferryに乗り、真向かいのDin Daeng桟橋で下船。目の前のTha Din Daeng通りを進み、途中で路地に入りSomdet Chao Phraya 5通り(Chang Nak通りとも呼ばれている?)を見つけたら、川へ向かってまっすぐ戻るように歩き、モスクのある倉庫街を目指す。倉庫街が始まる地点でポール状の門があり、さらに進むと砂利道になる。倉庫の並び左側を注意深く見ながら歩き、しばらくすると1箇所だけ倉庫が途切れた部分がある。その隙間は天井にダクトのある暗い幅1mの狭い通路となっていて、その奥にモスクの門がある。帰りは来た道を戻らず前に進み、1階がぽかりと開いた独特の建物が真正面にあるので、その間口から川岸へ出て、右を向くと壁に扉がありそこから外に出るとDin Daeng桟橋の横に出られる。来るときに分かればよいが、難しいかと思うのと私道につき振舞いには注意を。

訪問:金曜日の礼拝と祭事の日のみ開館するとのこと。今回は金曜日の礼拝日に訪れ、親切な女性スタッフへ訪問の許可を頂いたが個人的な好意であっただけかも知れず、Dawoodi Bohra以外の教徒の訪問ができるかどうかは不明。そのほかの曜日は礼拝時間でも閉まっているようだ。

撮影:外観・内装ともに制限なしであったが、礼拝中の信徒やすべての訪問者を被写体にする撮影は不可とお願いがあった。


















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