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Showing posts from April, 2020

Nakhon Si Thammarat Central Mosque

Nakhon Si Thammarat, Thailand : ナコーンシータンマラート・タイ  ナコーンシータンマラートはタイ南部ではイスラーム色が特に強いという街並みでなく、テーラワーダ仏教やヒンドゥー教の史跡も多い中都市である。それでもムスリム人口は多くこの地域にはそれほど大きくはない古いモスクは数あるが、2017年に完成したこのモスクは地域では最大級の大きさで州のイスラーム委員会事務所ともなっている。モスクは8角形の真ん中に金のドームがあり、壁面はアーチ型のデザインの窓を配し、形状だけであればエルサレムの「岩のドーム」を模したのかタイのモスクとしては珍しいデザインである。8角形の各々の角にはメインのミナレットが4本と小さなミナレットが4本と付いている。中心にメインドーム、その周りを4個の小ドームが囲んでいる。合計8本のミナレットの頭頂部にもドームが付き、正面のエントランス前から離れて見ると規則的な配置が確認できる。空港と街を結ぶ幹線道路上にあるため、金のドーム群はよく目立つ。2階の礼拝堂は中心のドーム台座も8角形に切り取られ、区切りがない大きな空間となっていた。内部はミニマムかつモダンな造りでステンドグラスに色味があるくらいで、ドーム内部には装飾はなくミフラーブは壁面に大きく平面のモザイクを使って表現されている。

Palayam Juma Mosque

Trivandrum (Thiruvananthapuram), India : トリバンドラム (ティルヴァナンタプラム)・インド  トリバンドラム市中心地区の大きなモスクで、白いドームと40mの2本のミナレットをもつ。訪れたときはメンテナンス後であったのか、まだ完成したばかりのように曇りのないクリームの色合いを保っていた。モスクの創設は非常に古く、1813年のことだが、以降1967年に現在の姿に改築され現在に至る。インドで数々のモスクを手掛けている建築家であるDr. G. Gopalakrishnanの手によるデザインで、独学でモスクのデザインを始めた氏の最初の作品という。ムガール様式をベースにしたインド・サラセン様式で壮大なドームをもつ威厳のある美しいモスクをデザインすることでその後著名になった。ここでも紹介した同市内の Beemapally Mosque も彼の作品で、そのデザインとともに実はヒンドゥー教徒であることも驚きをもって迎えられたという逸話がある。現在における賞賛だけではなく、独自の解釈から過去には批判を浴びたりもした。この訪れた日、モスクの礼拝堂内は隣接する学校の小学生くらいの年齢の子供達でいっぱいで、外にいたスタッフにドームを見られるか確認し、中へ進んだ。

Al-Bukhary Mosque -Kuala Lumpur-

Kuala Lumpur, Malaysia : クアラルンプール・マレーシア  クアラルンプール市内を巡るKLモノレールの車窓から、美しいアラベスクを描かれたドームを見かけたツーリストも多いのではないかと思う。このモスクは、クアラルンプールのイスラーム美術館創設も手掛けた、マレーシアAl-Bukhary財団によるもので、白いミナレット、ブルーと黄色が冴えたコントラストのドームが街並みから際立って目立つ。ドームの文様はイラン・イスファハンのShah Mosque、王のモスクやイマームのモスクなどとも呼ばれる、からインスパイアされたもので、またミナレットの形状はマディーナの預言者のモスクからのものだ。この構成は同じ財団が建造したアロースターにある同名の Al-Bukhary Mosque にも採用されている。現在このクアラルンプールのモスクのドームは、塗装の修復後に以前より青みが強いものになったが、以前はやや緑がかったイランのオリジナルに近いターコイズ色をしていた。ちなみに前述のイスラーム美術館のドームにも類似の文様を採用しているのは興味深い。礼拝堂内部は金のカリグラフィー以外はほぼ真っ白でドーム内部は花や植物のモチーフが彫刻されている。

Ketchimale Mosque

Beruwala, Sri Lanka : ベルワラ・スリランカ  ベルワラはコロンボからゴールへ向かう途中にある小さな漁港の街で、その港に突き出した岬の小高い丘に真っ白なモスクが建っている。街には1024年ごろからムスリムの商人達が訪れており、このモスクもスリランカ国内最古のうちの一つとしても知られている。モスクを囲む左右のテラスからはインド洋と港をそれぞれ望め、訪れた昼過ぎは参拝客なのであろうか、地元の人々がピクニックを楽しんでおり、絶好の観光スポットになっているようだ。小さなモスクの周りにはあまりに多くの人々がいて写真を撮ることが難しい位であった。モスクのある丘を登る手前は小さなビーチになっており、ここにもたくさんの人が憩いのときを過ごしていた。周りの喧騒を忘れたようにモスクの中は静寂で、窓の向こうには海が広がっていた。礼拝堂は黄色く塗られた壁と白いシンプルなミフラーブ、独特な黄色と白色の市松模様のフラットな天井をもち、窓からの光で照らされていた。モスク内部のドームのある側の部屋は、イエメンから来た王子であるAsh-Shaikh Ashraff Waliullahがこの地に移り住み死を迎え、それを弔う霊廟になっている。モスクの門番に案内をされ、少しだけ覗かせてもらうことができた。