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Showing posts from June, 2019

Al-Warqa'a Mosque

Dubai, United Arab Emirates : ドバイ・アラブ首長国連邦  ドバイ郊外の住宅地に佇むこのモスクを訪ねたのは、WEBサイトで見かけたミニマムなデザインの現代建築のモスクを見てみたかったからだった。外壁は砂漠の砂のオレンジ色の壁とシンプルなアーチで造られ、中庭を包む白い花の形のミニマムな幾何学パターンの内壁との間は回廊になっている。小さく開いた門をくぐると、真っ白な丸みを帯びた角をもつ長方形の中庭が広がり、3本の樹が植わっていた。隅に建つミナレットは外側の白い壁と同じパターンの円柱形だ。礼拝室のガラス窓とドアは、中庭とは外壁と同じデザインのアーチで区切られており、礼拝者の意識を外から門、中庭を経て礼拝室に入ることを意識させるという儀式を模したようだ。内部は2層に区切られ、天窓があり光が差し込んでいる。デッキ状の中2階は同じ幾何学パターンで装飾されているが、それ以外白いドームとミフラーブにも一切の装飾はない。外から見てもドームには何の装飾もない真っ白なものであった。実際に訪れてみて、このモスクのデザインはそぎ落としたミニマムさではなく、モスクの原点、礼拝の場としての機能と様式美をすべて併せもつ空間であることに気がついた。設計はドバイにある建築事務所Ibda DesignのWael Al Awar氏とKenichi Teramoto氏2人の建築家によるもの。門越しから中庭を見据えた空間が日本的に感じるのはそのためか、とても好きなデザインだ。

Msheireb Mosque

Doha, Qatar : ドーハ・カタール  ドーハの古い市場を改装したSouq Waqifのすぐ隣はMsheireb地区と呼ばれる再開発地区となっている。ツーリストで賑わう商業地区であるSouq Waqifから通りを隔てわずかに離れただけであるが、静寂の中にミナレットと白い石造りの立方体で構成された美しい現代のモスクが佇んでいた。外観は非常にシンプルで、長方形の敷地の正面に幾何学パターンで装飾された門と、先端に向かって細くなる円柱形のミナレットがある。門をくぐると屋根のある廊下に挟まれた吹き抜けの中庭があり、泉の奥に礼拝堂への大きな扉が開いていた。扉は高く、円形がモチーフの金のパターンで覆われている。デザインはイギリスの建築事務所であるJohn McAslan + Partnersによる。外観は直線的な現代建築であるが、モスクとして非常にわかりやすい、余分な装飾をそぎ落とした基本の伝統的なモスクの構成であると思う。残念ながら内部は見学できなかったが礼拝堂内部は照明を使わず、文様による採光と遮光のデザインがされているとのことで、過去のカタールのモスクとのつながりもモチーフであるようだ。