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Showing posts from March, 2024

Sultan Ismail Mosque

Muar, Malaysia : ムアル・マレーシア  ジョホール州には過去、統治していたスルタンがイギリスと強く結びついており、その後の植民地時代を通じて西洋建築の技術を取り入れた建築物が多くある。ジョホール州境手前に近いムアルに街を代表する大きなモスクが2箇所あるのだが、このモスクも、また Sultan Ibrahim Jamek Mosque と呼ばれるモスクも英国植民地時代を彷彿させる西洋建築とイスラーム建築が融合したデザインで造られた。街を流れるムアル川を挟んで、どちらもなぜかほぼ同じような構造である。寄棟造りの屋根と西側面に大きなドーム、反対側の東側面に細い柱で支える四角形のバルコニーと窓のあるミナレットと、一見ではパーツごとの区別は難しいくらい似ている。礼拝堂内部はアーチや柱頭に西洋建築らしさも感じるが、マレーやアラブの文様なども取り入れている。大きな木製の彫刻が施されたミンバルが独立して立っており、キブラ壁にある凹みをもつ形状のミフラーブはない。その背後にはブロークン・ペディメントで装飾された星の文様入りのドアがある。ドアの裏は外から見ると側壁の大きなドームのある半円形の部屋なのだが、特に部屋に何か宗教的な機能があるようでもなかった。寄棟造りの屋根なので、天井は外から見る限り普通の屋根だが、ドームは礼拝堂中心上部にある。

Toli Masjid / Mosque

Hyderabad, India : ハイデラバード・インド  ハイデラバード郊外に建つ、ゴールコンダ王国時代のインド・イスラーム建築の集大成のような美しいモスクである。規模としては市内中心の巨大な Makkah Masjid に比べれば大きくはない静かなモスクであるが、ファサードの5個のアーチと重厚な両端のミナレット、アーチ上部の漆喰の繊細な欄干や幾何学文様のスクリーン状の装飾など訪れる価値は非常に大きいと思う。モスクは嵩上げした長方形の台座に建ち、中庭に清めのための長方形の水場がある。内部の礼拝堂の天井は長方形で、その奥のミフラーブとは更に3個のアーチで区切られている。ドームはなく、ドームを模したような平面の装飾が見られる。