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Showing posts from July, 2019

Haydar Pasha Mosque

Lefkosa, Northern Cyprus : レフコシャ・北キプロス  垂直の高さのある控え壁(バットレス)と細長い尖頭アーチ窓をもつゴシック様式のモスクであったが、現在はすでにモスクとして使われていない。もとになったのは14世紀に建造されたSaint Catherine's Churchと呼ばれるゴシック教会であり、キプロスへ侵攻したオスマン帝国軍によってミナレットを付け足されモスクとして1570年に転用された。長くモスクとして使われておらず、近年の修復の後、現在はHP Galleryとも呼ばれる展示スペースとして使用されている。3枚の扉のうち南の正門側にある扉には、今でも当時の緻密な彫刻や紋章の細工が残っている。内部は残念ながら見学できず。名称は現在もモスクの名のままで通用しているため、そのままタイトルとした。

King Faisal Mosque

Sharjah, United Arab Emirates : シャールジャ・アラブ首長国連邦  シャールジャ市街の基点となるランドマークのような存在のモスクで、シャールジャの景色として紹介されているのをよく見かける。地域最大級の大きさを誇り、サウンジアラビアの王の財団King Faisal Foundationによって建設され1987年に完成した。Al Ittihad Square Parkと呼ばれる大きな公園に隣接しており、全貌が遠くからでも窺える。約17,000人を収容することができ、内部には図書館も併設されている。2本のミナレットと1個の装飾のない卵型のシンプルなドームをもち、モスク全体が3段で造られている。コーナーのシャープなステップ状のデザイン、そしてファサードと両サイドのカーブを帯びて斜めに突き出たカンチレバー構造の日除けとアーチが特徴的である。

Al-Khamis Mosque

Manama, Bahrain : マナーマ・バーレーン  バーレーン最古のモスクといわれ、名称はモスクとのままであるが現在はすでに礼拝の場としての機能はなく歴史建築物として保存されている。敷地はモスクの遺構とその紹介をする資料館となるビジターセンターで構成されている。名称のKhamisは木曜日という意味で、モスク近くで木曜日に開かれていた市場から取られた。モスクの原型は8世紀初頭に建造され、11世紀ごろに改修、その後にミナレットを付け足した。現在は2本のミナレットと、円柱とそれに載るアーチが残されているのみ。クルアーンを刻まれたミフラーブの石碑はセンター内部で保存されている。2本の高さ約21mのミナレットは小さなドームを頭頂部にもち、バルコニーが付属している。ミナレットは東西わずかながら高さが異なり、建てられたのも同時でなく、最初の1本は12世紀に、その後14世紀にもう1本が追加された。その後もミナレットやモスクに何度かの修復があり、現在に至る。

Said Bin Taimur Mosque

Muscat, Oman : マスカット・オマーン  赤銅色の多数のドームをもつモスクで、オスマン様式で1999年に建造された。メインドームは2個の半ドームで支えられ、礼拝堂にはミフラーブをカバーするものも合わせ大小14個ものドームで飾られている。中庭の回廊にも16個の小さなドームが配され、イスタンブールの Sultan Ahmed Mosque へのオマージュを感じるデザインだ。50mの高さの2本のミナレットも、鍾乳石飾りのついた2段のバルコニーをもつ伝統的なオスマン様式の筆型で造られている。シャープに尖った頭頂部もドームと同じ赤銅色に塗られており青空に映えるデザインだ。モスクの名は現国王Qaboos bin Saidの父、亡きSultan Said bin Taimurの名を冠している。

Bang Uthit Mosque

Bangkok, Thailand : バンコク・タイ  チャオプラヤー川沿いの古い船着き場と倉庫街をリニューアルした観光スポットであるAsiatique The Riverfrontの前に、小さなモスクが建っている。一見、バンコク下町のムスリム街区で時折見かける大きくはない普通のモスクだが、エントランスと内装にバンコクの多くのモスクとは違う特徴がある。チャオプラヤー川沿いのこの地区周辺は古くから河川を使った貿易の拠点となっており、ほかにも外交施設や教会などの歴史的建築物が多く残っている。このモスクも20世紀初頭に建造されており、当時のシャム王国のムスリムとオスマン帝国皇帝Abdul Hamid II との間で送られたイスラームへの忠誠を示す紋章をエントランスに残しており、必見だ。モスクはそのような関係からトルコの政府機関によって現在は改修されており、ドームのないフラットな天井に丸くオスマン様式の美しい装飾を施され、トルコからの白い大理石で造られた美しいミンバルとミフラーブをもつ。

Sultan Sulaiman Royal Mosque

Klang, Malaysia : クラン・マレーシア  イギリスの建築家Leofric Kestevenによって設計されたこの王立モスクは、アールデコ様式で建造されたモスクとしては珍しいキリスト教会に似た外観である。深い卵黄色に塗られたメインのドームを白い4個のサブドームが囲み、周囲には8本の小さなミナレットと中央のドーム手前に1本の背の高いミナレットをもつ。特にメインのミナレットには直線が強調されたアールデコのデザインを感じる。当時のマラヤではまだ珍しかった鉄筋コンクリート造りで完成は1932年。その後、2015年に内装と外装の改修が始まり2017年に完了している。独特の形状をした天井をもつアーチのアーケードを通り、ポーチから内部には入ると、金のドームを頭上に頂く木製のミンバルが目に入る。モスクであることは明白であるが、礼拝室の8角形の壁には直線的な幾何学模様のステンドグラスがはめられており、モザイクを通して照らされた光に拠るものなのか外装のデザインだけでなく礼拝室もキリスト教会の雰囲気を感じる。ドームの内側にもあまり例をみないカラフルなステンドグラスがはめられており、天井から光を通して輝いていた。