Cut Meutia Mosque

Jakarta, Indonesia : ジャカルタ・インドネシア 


旧オランダ植民地時代のジャカルタがバタビアと呼ばれていた時代に造られたダッチコロニアル建築で、そのオフィスビルをモスクへ転用したという変わり種のモスクである。そのため、一見はその象徴となるような半球状のドームやミナレットはなくモスクにはなかなか見えないが、屋根の頭頂部に月の紋章と四隅の柱には玉葱型の装飾がついていることに気がつく。設計はオランダ人建築家のPieter Adriaan Jacobus Moojenで、1912年に完成した。元々は現在のモスクがあるGondangdia地区の開発のために設立されたMoojen本人の建築事務所であった。当時の社名のN.V. de Bouwploegの名は建物側面の外壁に「NVDE BOWPLO」とおそらく長い名称を頭字語として簡素に変化させたのではないかと思うが、書き残されている。吹抜けになった高い天井はデザインや採光だけでなく、中東の湾岸諸国都市で見られる外気を取り入れ空気を循環させる採風の効果もあるそうだ。正面から見ると段になった礼拝堂の入り口と2階への階段が左右対称にあり、その上に2階の外バルコニー、奥に塔状になった高窓のある吹き抜け上の屋根が続く。室内は吹き抜けを見上げると、カリグラフィーの入った2階回廊のアーチとバルコニー、シャンデリア、高窓と格子状の天井と続く。様々な要素が一体となって飛び込んでくるのだが、手すりと天井は同じクリーム色でまとまっていて目に眩しくない。バルコニー正面が落ち込んでいるのはその構造から想像できるように、1階へ向かう階段を取り除いてしまったからである。このモスクの礼拝堂での最大の特徴は、オフィスビルを転用したためにメッカの方角に向かう礼拝の軸が45度ずれてしまっていることだ。ミフラーブ様の凹みと説法台となるミンバルは建物の構造に合わせ入口から見て真正面にあるのだが、実際の礼拝の方向は建物に対して斜めのため、絨毯のラインはキブラを示す壁はなくともメッカへ向けて合わせてある。礼拝は礼拝堂の構造に対して斜めの方向に向うのである。青銅色の角型ドーム状の屋根、白い壁、2階のオレンジ色の瓦屋根、アーチの窓やバルコニーの装飾、とバランスの良い端正な造りのコロニアル建築と、改装された内部のイスラームの意匠の融合は見事であると感じた。ややもすると放置されがちなインドネシアのコロニアル建築と比較するときちんとメンテナンスされていて、宗教建築としてだけでなくオランダ植民地時代の名残に興味があるなら見学はお勧めだ。

ロケーション:KRLコミューターラインのGondangdia駅のすぐそばにある。駅のホームからモスクの塔状の屋根を見ることができる。ジャカルタ一番の目抜き通りであるタムリン通り沿いのサリナデパート付近の滞在であれば、歩いて15分で着く。

訪問:門番に声をかけたところ、訪れたのは金曜日でもあったに関わらず中まで入ってよいとのこと。1階だけではなく、2階も案内してもらえた。

撮影:外観・内装ともに制限なし。ドームは構造上ないのであるが、天井直下まで撮影可能。




















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